小出裕章助教 第5回インタビュー Part1 Powered by ホワイトフード

ホワイトフード「こんにちは。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教にインタビューを致します。宜しくお願い致します。」

小出裕章助教「こちらこそ、よろしく。」

(1)Q:国の定めた基準値よりも低い数値ですが、放射能汚染として0.5〜10ベクレル/kgを子ども向けの食事としては、どう解釈したら良いでしょうか?

(小出先生の回答)
はい、皆さんご存知だと思いますが、1kgあたり100ベクレル、それを下回っている限り、全て安全だと国は言っているのです。1kgあたり99ベクレル、90ベクレルも、50ベクレルもあるいは10ベクレルも 0.5ベクレルも全て一色たんに安全だと言っています。

私は放射能はどんな意味でも危険だと思って来ましたし、今でも危険であると確信しております。1kgあたり99ベクレル危険だし、90ベクレル、50ベクレル、10ベクレルでも危険だと思います。

福島原発事故前は日本の殆どの食べものは、1kgあたり0.1ベクレル程度しか汚れていなかったのです。100ベクレルを許すということは、事故前の1000倍の汚染を許すということになってしまいますので、私はそれは正しくないと思います。99、50、10幾つでもいいけども、きっちりとして測定し、私達はそれに向き合うべきだと思います。

ホワイトフードは元々子ども向け赤ん坊向けにきれいな食べ物を回そうということで、この仕事を始めてくださった訳ですし、私自信も少なくても原子力を選んだことに責任のない、福島の事故を起こしたことに責任のない子どもたちには、できる限り汚染の少ない食べ物を回すべきだと思ってきました。まずはきちっと測定するということをすべきだと思います。

ホワイトフードはその仕事を引き受けてくださって、やってこられたわけで0.5〜10ベクレルの汚染された食べ物はどうかと今質問を頂きましたが、もちろん1kgあたり100よりはましだと思います。ただ、1kg10だとしても事故前と比べると100倍の汚染を許すということになります。

できれば私は子どもや赤ん坊には10ベクレルというものを回したくないと思います。どこまでならばいいのかと問われると、それはとても難しいことなのですけども、限りなく事故前に近い0.1とか0.5とか、そういうところに大人の責任として近づけるべきだと考えています。

(2)Q:学校給食が汚染されていた場合、学校給食関係者にどのように説得したら良いでしょうか?

(小出先生の回答)
それはとっても難しいことだと思います。ただ、いまも聞いて頂いたように、この事故に責任のない子どもたちを被爆から守ることが大人の責任だと思ってきましたし、学校給食は子どもが食べるものですので、私達大人が真っ先に気をつけなければならない、そういうものだと思います。

そして学校給食に携わっている方がいらっしゃるわけですから、まずはそういう方々が自分の仕事として、子どもたちの被爆を少なくすることが大切であることを分かって欲しいと思います。分かっていただこうと思っても、一方で国が100ベクレル/kgまで安全であるという宣伝をずっとひろげてきているわけで、学校給食は地方自治体がやっているわけで、中々国の方針をくいやぶって子どもたちを守るということは難しいと思いますが、せめて学校給食にたずさわっている方には、放射能の影響、特に被爆に対して敏感な子どもたちをどうすれば少しでも守れるか真剣に考えてもらいたいと思います。

(3)Q:給食で0.5〜10ベクレル/kgのセシウムが入っていると、どのようなリスクが、どんな確率で起こるのか。

(小出先生の回答)
まずこのベクレルというのは放射能の量ですね。

それを食べるあるいは吸い込むというもあるし、地面が汚れているということもあるわけですけども。被爆量というものは、シーベルトあるいはグレイという単位で測ることになっております。

今日本では1年間に1ミリシーベルト以上の被爆はさせないというのがこれまでの法律でした。しかし福島の事故が起こってしまって、もうそんなことは守れないということで、自分で決めた法律を反故にしたのです。

今までは平常時だった。今は緊急時だから自分で決めた法律は守れない。1年間に20ミリシーベルトまでは諦めさせるというふうに今法律を作ってしまったわけですね。私はそのこと自体がおかしなことだと思います。

1年間に1ミリシーベルトという被曝量も安全なわけではありません。どんな被爆も危険を伴ういうことが現在の学問の到達点であります。では1年間に1ミリシーベルトというのはどう決められたかと言いえば、日本に住む人間としてこの程度となら受け入れるべきだろう、我慢すべきだろうということで社会的な基準として決められたのです。

では1ミリシーベルトの被爆をするとどうなるかというと2500人に一人でいずれガンになるという程度の危険性です。逆にいうと2499人は害を被らないので良いだろうというふうに決められているわけですね。

ただし、先程ちょっと聞いて頂きましたが、子どもは放射線に敏感です。0才の子どもであれば、平均的な人間に比べると4〜5倍危険です。平均的な人間が1ミリシーベルトで2500人に1人がやがてガンで死ぬということであれば、赤ん坊が1ミリシーベルトの被爆であれば500人〜600人に1人の子どもがいずれガンで死んでいくという運命をおわされるというわけです。

では1kgあたり10ベクレルというものを食べたときに、どれぐらい被爆するかということを計算しないといけないわけですね。これは今私達は放射性物質のなかでセシウムというものを問題にしているのですが。

ごくごく大雑把に言うと、1000ベクレル食べてしまうと約10マイクロシーベルト被爆します。半分かもしれないし或いは倍かもしれませんけども、約10マイクロシーベルトぐらいの被爆をします。

1kgあたりもし10ベクレルであるとすれば、1000ベクレル食べようと思えば100kg食べてはめて1000ベクレルにになる。それで10マイクロシーベルトの被爆量です。1ミリシーベルトと比較すると100分の1というぐらいですね。毎日毎日それを食べていくと今度は365倍する訳ですから、それなりの被曝量になると思います

でも赤ん坊が1日どれぐらい食べるといえば、1日1kgという食べ物を食べることは多分ないだろうと思うしし、1kgあたり10ベクレルという汚染であれば、1kgかりに食べたとしても、10マイクロシーベルトのさらに100分の1ぐらい、1日あたりですね。1年とったとしても数十マイクロシーベルトあるいは100マイクロシーベルトになる、その程度だと思います。

これまでに許されてきた1マイクロシーベルトの10分の1、あるいは何十分の1というところで、少なくても食べ物に関しては抑えることができるだろうということになります。

小出裕章助教 第5回インタビュー Part2 Powered by ホワイトフード

(4)Q:学校給食の関係者へのメッセージあれば?

(小出先生の回答)
先程聞いて頂いたとおりです。残念ながら福島事故が起きてしまって、汚染も起きてしまっています。その中で今私たちにできることは、子どもたちの被爆をどうやって少なくするかということだけだと私は思っています。

そのためには例えば環境そのもの、学校の環境をきれいにするとか、幼稚園の園庭をきれいにするとか、地域の公園を綺麗にするとか、各家庭の庭を綺麗にするとか、そういうことはもちろん大切ですし、一方で食べ物に注意することも重要なことだと私は思います。

子どもの場合には、まずは母乳を綺麗にする。つまり母親の体を綺麗にすることをしないといけないし、あるいは粉ミルクを使っている家庭であれば、汚染の少ない粉ミルクを使うことが必要ですし、今問われているのは学校給食ですが、成長期の子どもたちが学校にかよって食べ物を食べているわけですから、そういうものはできる限り綺麗にするということを学校給食の関係者の皆様には心して欲しいと願います。

(5)Q:福島原発事故で漏れ続けている汚染水による海産物への影響リスクがあると思いますが、子どもの食卓を守る上でどのような対策を立てると良いでしょうか。

(小出先生の回答)
わかりません。海へ向かって汚染水が漏れているのですね。

漏れてしまうと海は全てつながっているのです。今は福島原発事故の敷地の前面の魚が汚れているはずだと思います。それを北海道に持ってきて水揚げすると、北海道産の魚になってしまいますので、どうすれば汚染の強弱を知ることができるのかというのは中々難しい。

ホワイトフードという特殊な仕事担っているところが、しっかりと測定し、どういう魚がどれぐらい汚れているか測ってくださるなら私はありがたいと思います。ただ中々手がまわらないと思いますし、海産物からの被爆から私達が制御するということを問われると中々難しいと思います。

やはり本当であれば、この事故を引き起こした巨大な会社である東京電力がかつては自分の所有物である汚染物がどれぐらいであるのかをきちっと調べて人々に知らせる責任があると私は思います。自分たちで測ることには限界があるということを知った上で、東京電力やあるいは国に測定をし公開しろと求めていくべきだと思います。

(ホワイトフード)
ありがとうございます。

(ホワイトフードの質問)ホワイトフードでは現在ゲルマニウム半導体検出器のみを所有しているわけなのですけども、海産物を測る上でどのような対策をうつべきでしょうか?

(小出先生の回答)
現在、一番注意をしないといけない放射性物質は私はセシウムだと思っています。それはホワイトフードが今使ってくださっているゲルマニウム半導体検出機が一番良い検出機です。ですからこれからも続けて欲しいと願っています。

ただし、海産物に関する限り、私はストロンチウム90という放射性物質にも注意をしなければいけないと私は思います。ストロンチウ90という放射性物質を測ろうとすると、大変な手間ひまがかかるのです。放射線の測定器自体はプリミティブなGM管でも何でも良いのですけども、放射線の測るという段階にいたるまでに、魚なら魚、野菜なら野菜の中からストロンチウムという元素だけを取り分けなければならない。私達が化学分離、ばけがく分離と呼ぶような非常に面倒な操作をして、魚や野菜の中からストロンチウムを取り出す。そしてはじめて試料ができて、放射線の測定器ができるようになるのです。

1つの試料をつくるのに1週間という時間がかかるのです。そして、化学操作ができるという専門的な力を持っているヒトでないと、それができませんので、失礼かもしれないですが、ホワイトフードがその測定を担うのはとても重荷になるでしょうし、実質的には多分できないだろうと思って頂いた方が良いだろうと思います。

先程聞いて頂いたように、セシウムとどうように東京電力の所有物だったわけです。自分の所有物がどこにどれだけ汚染を拡げたのかということを東京電力に測定させるということが一番良いと思います。東京電力は既に倒産しているような会社ですので、それが無理であれば、国にやらせるということを求めるべきだと思います。

ただしストロンチウムの現在の海の汚染は、セシウムの汚染に比べると、まだ少ないというデータが殆どです。中に貝のように貝殻を持っている生き物、あさりとかですね。ストロンチウムは貝殻や骨にたまりやすいので、むしろセシウムよりもストロンチムが多くたまっている生き物もあるのですけども、私達は貝殻をバリバリ食べるわけではありませんから、セシウムよりもストロンチウムの汚染は少ない、海の海産物で。まずはセシウムをしっかり測って、場合によっては同じぐらいストロンチムが入っているぞと考えながら向き合うことが今やるべきことだと思います。

(ホワイトフード)「アドバイスありがとうございます。それではインタビューありがとうございました。」

(小出裕章助教)
ありがとうございました。

こちらのインタビューは、色々な方にご覧頂きたいのでコピーをブログなどに掲載頂くことに制限を設けておりません。ただ、どこで掲載されたのかや掲載のされ方を小出裕章さんにお伝えすることにしておりますので、info@whitefood.co.jpにご連絡ください。
当記事や当サイトのシェアも制限ございませんので、ご自由にお使いください。

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