中部大学 武田邦彦教授 インタビュー Powered by ホワイトフード

中部大学 武田邦彦教授 インタビュー

ホワイトフード「中部大学 武田邦彦教授にインタビューにお応えいただきます。武田先生、よろしくお願いします。」

Q:福島原発事故の放射能により、これから日本でどれぐらいの被害があるというご見解をお持ちでしょうか。

(武田邦彦教授の回答)
これは私は従来から言っているとおり、見解を持ってはいけないと思います。つまり、放射性物質は被曝した時にどれぐらい健康障害になるかというのは学問的にはまだ分かっていないのです。学問的に分かっていないことを、我々は分からなければならないわけです。

で、分かっていないのに原発をやる訳です。何かやる時はやけどしたらこうなるとか、分かってやるわけです。原子力の場合はちょっとあせって、被曝がおきるとどれぐらい病気になるかわからないでやっているわけです。

全く分からずではいけないのですが、学問的には決まっていない、分かっていないんですよね。分かっているという人は山ほどいるのですが。わかってないんだけどもやるかぎりは、仮に決めておこう。仮にとはどういうことかといいますと宇宙で地球が太陽の周りを回っているのか、地球の周りを太陽がまわっているのかはわからないのですが、とりあえず学者が集まってこんなところに考えてやろうというふうに決めるのと同じことで、結論は出ていないけども、一応仮にこれまでのデータをみて、だいたいこれぐらいだと決めようと、決めているのですね。

1年1ミリシーベルトで、日本全体で8,000人の致命的発ガンか重篤な遺伝障害が起こると決めている。これは仮決めなんですね。 それ以下のデータもいくらでもあるし、それ以上のデータもいくらでもあるのです。

それで多くの人は、人を怖がらせようと思う人は8,000人よりも多い数字を言うんですよ。それから安全だと言う人はその数字よりも少ない数字を言うんです。両方ともデータがある。つまり学問的にはまだ確定していないわけですから、一人ひとりが見解を持ってはいけないんです。ひとりひとりが見解を持たないということは、これ非常に重要で、学者は自分の学問の範囲で自分の見解を持ってもいいんですけども、社会的に言う時にはですね、その学問で統一したことを言わなければならない。

例えば安楽死の研究をしてもいいんですけども、安楽死を現実に国民に施すときには、医学会とか国会で承認されていなければならないわけですね。この承認された状態というのが、1年1ミリシーベルトで、8,000人の致命的発ガンと重篤な遺伝性障害。ですから、今度1000万人ぐらいがそれ以上の被曝をしている訳ですから、大体その10分の1、800人ということになるんですね。

その中には10ミリシーベルトぐらい浴びている人が結構いるので、私の見解ではなくて、そういった基準の考え方ですね。10万人あたり、5人が致命的なガンになり、1.6人が重篤な遺伝性障害になるというそういう我々の専門家の合意事項、合意事項しかないんですよ。合意事項以外のことを言って、非常にみなさんを困らせたり、動揺させている人が山ほどいてね、反原発派の人もいるし、原発推進派の人もいて、それが非常に混乱させているんですね。

でまぁ、そういうことですので、交通事故なみの被害というのが1年1ミリシーベルトなんです。ですから、実際上はいまの被曝状態をみると、3倍〜5倍ぐらいじゃないですかね、割りと線量の高いところにおられる人いるから。800人×3倍の2,400人〜4,000人程度、つまり3,000人程度が発ガンか遺伝性障害が発生すると、これが私の見解ではなくて、あくまでも言いますけど、これが日本の法律でもあり、法律の基礎ですね。

法律には何人ガンになるとは書いていませんから。それの元なんですね。それ以外の数字は、僕は原発事故が起こってからは一切言っていないんです。それはいっちゃいけないと。みんなが被曝している時は、こういうことで合意して原発をやってきたんだということを説明すべきだと思う。こういう風に思っていますけどね。

Q:福島第一原子力発電所4号機の燃料棒の取出しや4号機プールの倒壊リスクについて、どうお考えでしょうか。

(武田邦彦教授の回答)
リスクというのは、例えば宇宙で超新星が爆発すると、地球上で2人死ぬと言われていますね。宇宙のどこかで超新星が爆発して、地球上で2人死ぬという可能性はあるんです。ですからリスクを考える時には、可能性がどれぐらいかということを考えなければならないですね。さっき言ったように、家をでれば必ず交通事故にあうというふうには言えない。普通の人は家から出ても交通事故にあわない。だけど、交通事故は100人に1人に起こるという、こういうことですね。

ですから、そいう意味では100分の1の可能性が、100分の1のリスクというのは、交通事故にあうから外にでられないというリスクですね。約1000分の1のリスクがタバコをすったらガンになるリスクですね。ですからリスクというのには程度があるのですね。ですから普通は交通事故ぐらいを基準にしているのですね。そうすると100分の1ぐらいの基準ということになりますとね、福島原発の燃料取出しおよび4号機の倒壊の危険性はないというふうに考えられますね。

ないと言うと、では絶対にないのか、先程言ったように、リスクというのは超新星が爆発して2人死ぬこともあるんだから、そういう意味でのリスクというのは常に存在するのですが、まぁ交通事故にあるかもしれないから、外に出ないということじゃないくて、このくらいの事故なら一応外に遊びにいってもいいなというぐらいのリスクで考えますとね、4号機の燃料の取出しは何の心配もないということになります。

Q:福島原発近郊以外でも、空間線量が月平均の2倍を超えることがありますが、どう解釈すると良いでしょうか?

(武田邦彦教授の回答)
これは1年1ミリシーベルトで8,000人のガンと遺伝性疾患というのは変わらないんですね。ですから、自分が2ミリシーベルトのところに住んでいるとすると、もしくは食材でそういうものを浴びると、食材は非常に汚れていますからね。そうしますと、16,000人。大体あたまの中で交通事故で死ぬのが、5,000人ですからね。16,000人だと交通事故の3倍ぐらい危ないかなと。それから10ミリシーベルトだと、8万人ですからね。交通事故の10倍以上危ないかなというような感じですね。

これはもう、8,000人という数字しか、日本中あるいは世界中にしてもいいのだけれど、ないものですからね。これ以外の数字を言う人が多いので混乱して、みなさんもかわいそうな想いをしている。過度に心配する人もいるし、全く大丈夫だという人もいるというふうに非常に混乱しているんですね。

Q:子どもや妊婦さんのご家族で放射能に関して、どのようなことに気をつけたらよろしいでしょうか?

(武田邦彦教授の回答)
はい。今はデータが非常にインチキなんです。例えば、食品安全基準では1kg100ベクレルですね。これは2重に間違っている。1つは外部から放射線を浴びない場合ですね。これは、福島原発が事故を起こしていなければ、ある意味ではそれでもいいんですね。自然放射線に食品しか被曝しない。

ところが現実は今我々は、福島原発のためにある程度の被曝をしている訳ですよ。水も若干汚れているんですね。水は水道基準で1kg10ベクレル、外部から入るのが大体0.5ミリシーベルトぐらいくるんですね。そうすると食品は40ベクレル/kg。食品安全員会は100ベクレルと言っていますが、これは被曝をしない人ですからね。だからよっぽど北海道とか、九州ぐらいの人はそうですけども、名古屋なんかでも、ある程度空間線量が上がっていますからね。福島原発の影響で。旅行もしますしね。

それからいうと、一応40ベクレル/kg、これは大人でこういう感じです。先程あなたがご説明になったように、乳児・妊婦の場合はデータが2種類あるので難しいのですけど、0.5歳児から14歳ぐらいまでは大変はっきりしておりまして、ほぼ3倍程度の感度がある。それ3分の1ぐらいにしますとね、やっぱり1kgあたり10ベクレル以下のものを選んで食べておかないといけない。

じゃいつまでか。とりあえず2015年までは必ず1kg10ベクレル以下のものを取らなければいけないですね。というのは、我々には未知の部分があるわけです。先程言った1年1ミリ8,000人の致命的なガンによる死亡といっても、先程言ったように学問で分からないことがあって、我々が一応そうだろうと推定したわけですね。だけども、もしかすると、もっとひどいかもしれないですね。その状態は2015年ぐらいからはっきりしてくるので、まず第一の目安としては、食品については1kg10ベクレル以下のものを特に乳幼児とか取られてですね。

妊婦の場合は、妊婦自身が、いろいろ説があるんですよ。ただ妊婦が食べたのものが胎児にいきますからね。そういったものが移行係数、どれぐらい移っていくかというのはハッキリしていなんですね。ですから、そういう意味から言って、妊婦のかた、それから乳児、小学校までですね。やっぱり1kg10ベクレル以下のものをとっていく。

2015年になって、今福島県で甲状腺の手術をした子は32人と言われますが、この評価も難しくて、通常の10倍という感じなんですけど、また通常というのも良くわからないんですね。これがはっきりしてくるには、やっぱり2015年超えないと、はっきりしてこないので、2015年超えて、予想よりも少なければ、若干油断してもいいかなと。予想以上に多かったら、もう少し厳密に考えないといけないとそういうことになると思いますね。

Q:『原発事故とこの国の教育』を出版予定ですが、どのようなところがポイントでしょうか。

(武田邦彦教授の回答)
この前中国やアメリカと戦争があったんですね。70年前に、その時に子どもを守るという点ではですね。二十四の瞳という映画ありますけどね。政府が戦争をしている時に、子どもは政府の政策の中に入れないというのがね、そういう戦争の経験を経て、我々が学んだことなんですね。ですから、政府が例えば放射線の障害から福島の人たちは少し被曝していいということにしても、子どもを守る点では全然別なんだということを教育界が全く考えなかったということが非常に大きなことなんですね。

2つ問題があって、1つは大人は選択したんですね。つまり当時2011年夏頃の時点をとりますとね、大人は平均して大体僕の感じでは、福島近辺では平均の2、3倍の被曝量、1年1ミリシーベルトじゃなくて2,3ミリシーベルトぐらいを浴びていた。特に食品の場合は非常に低くなった。なぜかというと、スーパーに行って、お母さんが汚染されているものをなるべく買わないようにした。それによって、大人の被曝量は下がった。

ところが子どもは給食に汚染された野菜とか出した。それを基準を大体食品で1年17ミリシーベルト、これは僕が計算したんですけども。政府が実際に出している給食なんかですね。空間線量が20ミリシーベルト、合計37ミリシーベルト浴びますね。37ミリシーベルトになると20万人ぐらいの死者になるので、非常に良くないですね。それが1つですね。

つまり、大人は選択して、自分の生活とか自分が食べるものを選択して選んでそして、被曝レベルを下げたのですね。子どもは学校に行くということと、給食を食べるということで、選ぶことができなかったんですね。それで子どもは10倍の被曝をした。

それを僕なんかがテレビで指摘しますとね。そういう発言は農家を困らせるという発言になった。しかし我々は子どもというのが、選ぶことができない存在であるということを知って、子どもを守ってあげないといけない。それが教育界の1つの問題。

もう1つは先程から言っていますように、同じガンになると言ってもね。人間だから同じといえば、同じですが、80才で亡くなる人も、二十歳でなくなる人も同じかもしれないけれども、人間だから。しかし、やっぱり常識から言えばね、70才、60才ぐらいの人が被曝して、20年後にガンになってなくなったと。これは放射線でも他の原因でも全くわからないので、たぶん補償なんかもあんまりされない。 でも80でガンでなくなったら、本人もしょうがないかなと思うところもあるし、第一その人は自分の意志で福島なら福島に居て、自分の意志で食べ物を選んでいるからしょうがないと言える。本人がしょうがないというのは難しいですけどね。

ところが10才の子供が学校で被曝して、給食で被曝して、選べない。そして子どもですから感度も高いですし、発症時期も早い。20才でガンになった。そしたら残念さでいったらね。やっぱり子どもの方が残念さが大きいと思うんですよ。

だからこの事に対して、事故後、教育界は殆ど動かなかった。むしろ逆だったんですね。一番ひどかったのは、福島県でやった東日本スポーツ大会なんですけどね。スポーツですよ。福島の復興のために、やったのですが、それは被曝することになるなるわけです。

スポーツの場合は息もしますしね。それから代謝も激しくなるし、地面すれすれにやる競技もありますから。土埃も。そういう子どもに被曝を促進するような行為を大人が自分たちのお金がもったいないと。職業が大切だということでね、やったということは、教育界として道徳の崩壊だったわけですね。

もちろん、それ以外に原発は危険ですからね、もちろん。学校としては普段から退避の方法であったりとか、津波と一緒ですね。疎開の仕方だとか、そういうことを研究しておくべきだったのに、学校サイドは何もやりませんでしたね。ですからそういうことでは、教育界は学校ばかりではなくて、教育委員会も我々教育関係者は全部ね、ものすごく反省して。

今度出す本は福島事故を全体的に整理をして、政治がいまから原発を再開するかもしれないんですよ。再開に、反対するのか賛成するのかという問題ではなくて、再開することを前提に教育界は福島の事故を学んで準備をしておかないといけない。

これは戦争も同じで、戦争になるかは国が決めることですが、教育界は戦争が起こった時に、子どもたちにどういう風に教育するのかとか、どういう退避をさせるのかと、どういう風に子どもたちを守るのか、そういう事に対して十分に議論しておかないといけないわけですね。

現在の教育界はそうではなくて、逆にできるだけ福島事故に触れないようにする。なぜなら政府ににらまれるからということですね。しかし文部科学省は元々政府の中にはいますが、子どもの教育という点では独立している訳ですから、そういうことを文部科学省もはっきりさせないといけない。それが本を書いた動機です。

(ホワイトフード)「インタビューにお応えいただきまして、ありがとうございました」

(武田邦彦教授)
ありがとうございました。

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