小出裕章助教 第7回インタビュー Powered by ホワイトフード

小出裕章助教 第7回インタビュー

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教に、今月 11月から始まる福島第一原子力発電所4号機の使用済み核燃料貯蔵プールからの燃料棒1,533本の取り出しについてお伺い致します。小出先生よろしくお願い致します。

Q:燃料棒を落としてしまった場合は、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、どれくらいの被害が想定されるでしょうか?

(小出先生の回答)
燃料棒というもの中にはウランが核分裂された時にできた放射性物質が溜まっています。直径1cm長さ4メートルぐらいの長い物干し竿くらいのモノを想像していただきたいのですが、その中にウランが入っていたり、核分裂してできた放射性物質がその細い物干し竿の中に入っているわけです。

それを今回移動しようとしているわけです。それを落としてしまったり、それをどこかにぶつけてしまったり、細い物干し竿が折れたり、ひびが入ってしますと、そこから放射性物質が吹き出してきてしまう。

ただし、私自身は仮に落としたとしても、大量の放射性物質が出ることにはならないと思っていて、作業員の方の被爆は心配ですが、敷地の外の方のところまで被害がおよぶことはないと思います。

Q:仮に再臨界すると放射性ヨウ素は出てくるのでしょうか?

(小出先生の回答)
再臨界はたぶん起こりません。絶対に起きないとはいえませんが、極めて可能性が低いと思いますし、起きないと断言しても良いぐらいのことです。

Q:子どもの家庭としては、どのような対策を取るべきでしょうか?

(小出先生の回答)
先程お聞きいただいたように、今回の作業によって周辺のみなさんに危害を加えるということはないと思っています。ですから、お子さんを持っていらっしゃる方も、今回の作業自身を心配する必要はないと思います。

私が心配しているのは、作業ではなくて、4号機の使用済燃料プール自体が崩れ落ちてしまう。そうすると大量の放射性物質が吹き出してしまう。周辺の方々も様々な対策を取らなくてはいけなくなる。そうでない限りは、特に注意して頂く必要はない。

Q:燃料プール自体が倒壊することをご心配されているのでしょうか?

(小出先生の回答)
そうです。それだけだけです。私が心配しているのは。周辺の方に危害が加わる意味では、それ以外は何の心配もない。

(ホワイトフード)
ちなみに、燃料プールが倒壊した場合はどれぐらいの被害を想定しておけば良いでしょうか?

(小出先生の回答)
はい、使用済燃料プールには、今でも大量の使用済燃料が今現在も眠っておりまして、その中には広島原爆に換算すると1万4000発分のセシウム137があると私は思います。これまで福島原子力発電所事故で大気中に吹き出してきたセシウム137は広島原発の168発だと日本政府は言っています。

4号機の使用済み燃料プールには1万4000発分あるわけですから、これまで噴き出してきたセシウム137の数十倍あるいは百倍というものが、今のところはまだ外に出てこないで、もしそれが全量吹き出してきた場合はまた大変なことになるだろうと思います。

(ホワイトフード)
その場合は空間線量も食事以外に気をつけることが必要でしょうか?

(小出先生の回答)
はい、もちろんそうですが、倒壊した場合に燃料が冷却出来なくなるわけですが、燃料が溶けると中にある放射性物質が飛び出してくると私は思います。

ただし、燃料が溶ける際に、若干の猶予があると思います。数日あるいは10日ぐらい猶予があると思います。4号機の使用済燃料プールが崩れ落ちてしまった。恐らくどんな情報統制をしてもバレると思いますし、それが起こってから何か対策を考える時間の余裕があると思います。

(ホワイトフード)
その場合は、空間線量がじわっと周りから高くなるものでしょうか?

(小出先生の回答)
空間線量をあげる要因は、放射性物質から放射線が飛び出してくるわけで、プールが水からむき出しになりますと、そこからまず放射性物質が出てくる。ですから、作業員の人たちあるいは敷地の中にいる人達が大量の被爆をしてしまうとことになると思います。
ですから、空間線量がだから急激に増加するわけですね。敷地の外に飛び出してくることは少ない。敷地の外までその放射線が飛び出してくることは少ない。

敷地の外まで飛びでいくには、使用済み燃料が溶けてしまって、中から放射性物質が吹き出してきて、それが風にのってあちこちに流れるわけですが、それが流れてきた場所の空間線量が高くなりますし、土地も汚れるし食べ物も汚れるということです。

(ホワイトフード)
心配するのはセシウムであり、放射性ヨウ素は心配いらないでしょうか。このケースでは?

(小出先生の回答)
再臨界ということはたぶん私は起こらないと思いますし、放射性ヨウ素は寿命が短いですので、すでにもうありませんので、再臨界が起こらない限り放射性ヨウ素は問題にならない。

今やはり注意するのは、セシウム、ストロンチウム、あるいはトリチウムという寿命がながい放射性物質だけだと思います。

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